1つの会社では限界あり?転職でのキャリアアップの方法<前編>

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1つの会社では限界あり?転職でのキャリアアップの方法<後編>

そもそもキャリアアップって何?

「キャリアアップって何がどうなる事を言うのですか?」と聞かれたらなんと答えますか?キャリアップという言葉自体は社会人であれば誰もが使った事のある単語で、一度は必ずと言っていいほど考えた事があることだと思うのですが、それを説明しろと言われると回答に困る人も多いのではないでしょうか?

キャリアって何?

「キャリア」という単語で検索すると、「経歴」や「経験」といった説明が多く出てきます。社会におけるキャリアとは、まさしく「社会人としてここまで歩いてきた道筋」の事を言います。

有名人で例えると、かの有名な坂本龍馬のキャリアは、「日本初の株式会社である亀山社中を起業し、薩長同盟を仲介し、大政奉還を企画し、明治維新を実現した」というのが彼が社会人として歩んだ道筋(キャリア)です。

よく混同されやすいのが「スキル」ですが、スキルとはどんな(今現在社会に通用する)能力があるのかのことを言います。同じく坂本龍馬で例えると、「北辰一刀流の免許皆伝(剣術がすごい)であり、最新鋭(当時は)の蒸気船を操舵することができる」がスキルになります。

上記のたとえからまとめると、キャリアといのは「過去にこんな事を実現してきたのだから、今後も期待していいだろう」という信用を得るためのものだと言えます。仕事をする上では、信用を元にした期待値というのがその人の価値を大きく左右します。

俗に言う「あの人はキャリアがある」などの評価は、過去の実績から高い期待に見合うだけの信頼残高を持っているということだと言えます。

キャリアがアップしたかはどうやって判断する?

みなさんはキャリアがアップした瞬間を感じた事はあるでしょうか?今日という1日が終わった時に「お、今日キャリアあがったな!」と思ったことや、「先月ほどじゃ無いけど今月もまあまあキャリアアップしたかな」と実感したことってありますか?私はありません。おそらく、自分自身が日々実感することはできないのがキャリアアップなんだと思います。

ただ、筆者がこれまでの人生でキャリアアップを実感したタイミングは4回ほどありました。それは全てが転職のタイミングです。

社内で表彰されたり、「お前は成長しているよ」と褒めてもらえたりということはあったのですが、素直に嬉しかったものの、それがキャリアアップを実感したかというと、それほどのインパクトはありませでした。ひとつの会社の基準に照らし合わせて、その一瞬良い成果が出ただけだという認識です。

しかし、最初の転職では内定をもらうのがやっとだった自分が、次の転職のタイミングでは役職者としてのオファーがもらえたり、年収が現状よりも100万円以上も高い提示を受けたりした時には、キャリアアップしたのだと実感できました。

ここでお伝えしたいのは、キャリアアップというのは”赤の他人が自分に対して下す評価の、過去と現在の差分”を持って測るものだということです。

あなたをよく知る人がフェアにあなたのキャリアを判断することは難しいと思います。いろんなしがらみや感情が良くも悪くも影響するからです。あなたの事を知らない人というのは、あなたが頑張ったかどうかという点は評価しません。シンプルに必要か必要無いかだけで判断します。だからこそ妥当性があるのです。

キャリアが上がる時ってどんな時?

転職によるキャリアアップを実感した時に、改めて過去を振り返り、何がキャリアアップに繋がったのかを整理してみたことがありました。「あかの他人がキャリアを判断する」ということは前述しましたが、ではその「他人」がどのポイントを評価しているのかを分析してみたのです。

その結果、まずは成果だと思います。ただ、これは会社でいうところの「目標を達成したかどうか」とう話ではありません。会社から与えられる目標は国家資格のように難易度が一律なわけではないので、「目標を200%達成しました!」という人よりも「目標は50%しか達成しませんでした」という人の方が同じ期間でも何倍も利益を出しているということはあります。

では成果をどう判断しているかというと、「負った責任の大きさに対して、どれだけ責任を果たせたか(成果が出せたか)」ということだと思います。ここでいう責任の大きさとは、売り上げ、利益、組織規模、新規事業の投資額、など定量的に大きさを表せるものの事です。

キャリアは、まず大きな責任を背負いこむことで上がるのだと思います。仮に責任を果たせなかったとしても、”その時のその組織内でもっとも期待されていた(だから任された)人”という称号が得られますし、そこで期待通り、もしくはそれ以上の成果を出せればその瞬間にキャリアは大きく上がっていると言えると思います。

会社が10億円の予算をあなたに任せたとしたら、それはあなたに10億を背負うだけの人材として認められているという証拠だからです。

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キャリアプランはどう描く?

キャリアは漠然と上げたいと思っていても上がるものではありません。階段を登るように着実にステップアップしたいのであれば、自らキャリアプランを描く必要があります。ではキャリアプランを描くにはどうしたらよいのでしょうか?

何を目標にすればいい?

仕事に置ける目標は多種多様ですが、キャリアに置ける目標には一定のルールがあると思います。それは「共通言語」であり「定量的」であり、「汎用的(再現性)」であることです。

共通言語というのは、どの企業でも評価の対象となる事柄であるということであり、目標の主語の部分になります。例えば、「尊敬するA先輩のようにあと3年でなる」という目標を立てた場合、「尊敬するA先輩」というのは世の中の共通言語ではありません。同じ会社にいてその先輩の素晴らしさを知るごく一部の人にしか通用しないのです。

もしキャリアの目標にするのであれば、まずその先輩の凄い部分を分解します。それが年間売り上げ記録で誰も超えた事のない記録(年間売り上げ1億円)をもっているからなのであれば、その記録の部分を目標にすることができると思います。

定量的というのは、売り上げや利益、市場シェアなど、数値化できる指標のことです。もし、「たくさんの顧客に満足を提供して信頼を得る」とした場合、実際に10名の顧客から高い満足度を得れたとしても、それが多いのか少ないのかは判断にこまります。

汎用的(再現性)というのは、多くの企業がそれを求めているということです。例えば、日本にそれをできるのが一人しかいない卓越した技術を持つ職人がいたとします。その人の価値はとても大きいのですが、汎用的かと言われると”その人だからできる神業”の持ち主は汎用的ではなく、再現性もありません。しかし、トップクラスの営業のトークスクリプトは、それを他の営業が実践すれば、100%とは言わずとも80%くらいはそのパフォーマンスを再現できるとしたら汎用性は高いといえますし、多くの企業はその仕組を構築できる人材を求めています。

プラン(計画)はどれくらいの期間が妥当?

キャリアプランを立てる上で、どれくらいの期間を対象に計画すればいいのでしょうか?長すぎてもダメですし、短すぎてもよくありません。

結論を言うと、20代〜30代であれば、3年から5年くらいでキャリアプランを立てることをお勧めします。なぜ3〜5年なのかというと、キャリアを上げる上では1年では短すぎるし、10年では長すぎます。

現代では多くのノウハウが仕組み化されているので、一つのスキルを習得するのに約1年〜2年。そのスキルを活用して成果を出す期間として1年〜3年があれば、自分のキャリアを構築するのには十分な時間だと思います。

逆に、技術や市場のトレンドの移り変わりが早い現代では、今現在から10年先の市場価値を想定して本当にその通りにいく可能性は極めて低いと思います。また10年というのはあまりにも長いため、10年先のビジョンの為に今日の1日に必死になれるかというと、「後10年あるんだから今日1日頑張れなくても問題ない」となってしまうのが人の性だと思います。

10年という長い期間の目標を立てても、どうせ途中で修正を入れることになるのですから、長く見積もっても最初から5年でキャリアプランを立てる法が妥当ですし、ストレスなく今日1日を大切にできる時間軸という意味でも、3年〜5年という期間でキャリアプランを立てるのがおすすめかと思います。

会社に合わせたプランとプランに合わせた会社の違い

キャリアプランを描く時に注意したいのが、純粋に自分の理想とするプランを描くのか、今の会社で実現可能なプランを描くのか。この違いを理解した上でプランニングすることは重要です。

会社に合わせたプランというのは、例えば業界のリーダー企業で働いているのであれば、そこでさらに専門性を磨き、個人としてもメディアにどんどん露出して業界のリーダー的な知名度を獲得するというキャリアを描くことができます。

しかし、業界内でも上流に属さない企業であれば、かりに高い専門性を有していたとしても個人として業界内で目立つことは中々難しいかもしれません。

このようにキャリアプランを考える際に、今の会社で果たしてそれが実現可能なのかということを冷静に見極めることも重要です。この視点を持ってキャリアプランを立てることが「会社に合わせたプランニング」ということになります。

逆に、会社は関係なく個人として理想のキャリアを描いた場合に、今の会社では実現が難しそうだとなった場合に、ならばそれが実現できる会社に転職してしまうという選択肢もあります。そして、多くの人が転職する背景にあるのはこのような理由なのだと思います。

新人の頃はキャリアプランが会社によって低く抑えられてしまうということはないのですが、5年、10年経ちビジネスパーソンとして成長するに従って、自分の理想とするキャリアが会社のキャパシティを超えてしまうのです。

このような場合には、転職をすることをおすすめします。理由がとてもポジティブですし、転職先の企業が聞いてもおそらく高い評価をされる可能性が高いと思います。当然、キャリアプランを実現できる環境を選んだ方がよいのではないでしょうか。

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